俺たちの騒ぎ声も気にせず自分の世界に入って、ひたすら散る火花をしゃがんで見つめている。 俺もそんな優衣ちゃんを、自分が持っている変わり花火には目もくれず、じっと見つめていた。 しばらくして、何の前触れもなく優衣ちゃんの持つ線香花火の火種がポロッと落ちる。 花火はいつも予兆がない。 水滴みたいに、落ちそうかもなんて見つめている暇もないぐらいに、 目で追いかけることもなくポトッと潔く。