軽率に恋 - 冬の線香花火 -





優衣ちゃんは賢いな。


俺の知らない雑学をたくさん知っている。




こうやって教えてもらっては、俺の知らない優衣ちゃんが知れて、好きが増していく。




頬と鼻の先を赤くしている優衣ちゃんも。



冬にしか見れないレアな光景で、揶揄うとマフラーで隠そうとして縮こまる姿も、俺にとっての胸キュンポイント。





「優衣ちゃん、鼻がトナカイみたいで可愛いね」

「可愛くないから…揶揄わないで」

「可愛いよ?…あ、」





そうか。

好きポイントを稼ぐには、自分から動かなきゃいけないんだ。




寒がっている優衣ちゃんに俺の上着を貸そうと、


持ってて、と俺の線香花火を渡して、脱いだダウンジャケットを優衣ちゃんの肩にかける。





「俺の上着、着て」

「いいの?佐々原くんが寒いじゃん」