「…何か、ごめん」
「謝るなら言うな」
「いや。可愛いはちゃんと伝えておきたい」
「……あっそ」
多分優衣ちゃんは気まずいと思ってないけど、俺はすごく気まずい。
好きな子の前では、かっこいい自分でいたいし。
「優衣ちゃんってさ。冬に花火はしたことある?」
「ないよ。花火は夏の風物詩なんだから」
「そうだよな…花火といえば夏だよね。でも冬にする花火も綺麗じゃない?」
「うん、そうだね。…あ、知ってた?冬は空気が澄んでて湿度も低いから、夏の花火よりも綺麗に火花が見えるんだよ」
「そうなの!?じゃあ今日の花火は最高じゃん!」
「そうなるねー」



