小さくパチパチと音を立て始めた線香花火。
赤白く光ると、覗き込んで一部始終を観察し出した優衣ちゃん。
「どっちが長く続くか競争ね」
「…いいよ」
勝ち負けの瞬間を見落とさないようにと、優衣ちゃんが持つ線香花火に、自分の線香花火を近づける。
自然と二人の距離も近くなって、縮こまって寒がっていた体も、段々と温まってきた。
何となく優衣ちゃんの頬も赤い気がして、ふふっと笑うと
「何が面白いの?」
と少し不機嫌になる。
あぁ、怒らないでよ。
君の頬が染まった原因が俺だって、良い感じに自惚れてたのに。
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