どちらからともなく花火を取り出して、向かい合って花火を楽しむ。

先に沈黙を破ったのは、なぎさくんだった。

「……うさぎちゃんはさぁ、学校、楽しい?」

「……?楽しい……楽しいよ。なぎさくんが来てくれてから、特に」

よく考えたら、なぎさくんが来てくれてから素直に学校が楽しいと思えるようになった。

前田さんたちに何か言われることも無くなったし、自然と笑顔になることも増えた。

「なぎさくんの、おかげだよ」

「……そっか……」