ヴァンパイア王子と秘密の甘い独占契約

心臓がバクバクしっぱなしの私に追い打ちをかけるように、


今度は、きっちり閉められていたはずの棺桶のふたがガタッと動いた。


「え、無理。怖い怖い怖い……」


まるでホラー映画のワンシーンのように、内側からギィ……といやな音を立てて、ゆっくりと押し上げられていく。


これ……、棺桶の中に何かいるよね……?


ヴァンパイアか、それとも学校の七不思議的なおばけか。


前者は見慣れてるからまだいいけど、後者だったらどうしよう……。


恐怖で逃げ出すこともできなくて、ただぎゅっと目を閉じていたその時。