ヴァンパイア王子と秘密の甘い独占契約

制服のポケットから香水が入ったアトマイザーを取り出して、手首と首筋にシュッとかけてこすりつける。


よし、これでOK!


あとは予鈴が鳴るギリギリに、教室に戻ろうっと。


そう思って、部屋の奥のソファで横になろうとしたその時、私の爪先に何かがガンッとぶつかった。


「いたっ」


……ったく。


また誰かがいらないものをここに置いていったのかな?


不用品を持ち込むのはいいけど、床に置きっぱなしにするのは危ないからやめて欲しいよ。


はあっとため息をつきながら、片付けようとしてしゃがみ込んだその時。


「ひいっ⁉」


私は目を見開いて、悲鳴を上げてしまった。