ヴァンパイア王子と秘密の甘い独占契約

「み……。御影くん。私、重くない? 大丈夫?」

「大丈夫、普通に軽いし。ていうか、危ないからしっかり俺の肩つかんどきなよ」

「そっ、それは……!」


想像したら、私が御影くんに甘えてるみたいじゃん!


かあっと顔の温度が急上昇する私に、御影くんは「俺に血を吸われてる時、いつもシャツ握ってしがみついてるくせに」と余計に恥ずかしくなるようなことを言う。


「いじわる!」って怒りたいけど、御影くんにしっかりつかまってないと確実に危険だから、両手で御影くんの左肩をつかんだ。


「よし、行くか」

「行くってどこに?」

「まあいいから。来てからのお楽しみ」


御影くんはそう言って、女子寮の壁に両足をつけて、水泳のけのびの要領で蹴った。


その瞬間。耳元で風がごおっとうなって、私の顔面に直撃する。


これが、空を飛ぶ……ってこと⁉


実際に見たことはないけど、竜巻の中をくぐり抜けている感覚って、こんな感じなのかな?


ううっ、怖い……!


飛ぶのがあまり好きじゃなさそうな御影くんの言ってたことが、実際に体験して見に染みた今ならすごくよくわかるよ……。