ヴァンパイア王子と秘密の甘い独占契約

瞬間、私を下の名前で呼び捨てする大声が、ダイレクトに耳に飛び込んでくる。


ハッと我に返った私は、ガラスがビリビリする窓辺に駆け寄り、ガチャンと鍵を外して窓を開けた。


女子寮の5階にある私の部屋の窓の外から、私を大声で呼んでいたのは――、


「桧山さん、大丈夫⁉」

「みっ、御影くん⁉」


マントを羽織って宙に浮いている御影くんだった。


綺麗な前髪は汗でおでこに張り付いて、「ぜー、はー」と息を切らしている。


いつものクールなイメージとはかけ離れたその姿に、私は窓から身を乗り出したまま面食らってしまった。


「何で御影くんがここに……。ってか、御影くんの方こそ大丈夫⁉」

「話は後。それより、姫咲たちに追い駆けられてるでしょ。あいつの今の状態はマジで危険だから、今すぐ俺とここから逃げるよ」

「御影くんとって、どうやって……?」

「とりあえず、このままじっとしてて」

「わ、わかっ……ひゃあっ!」