ヴァンパイア王子と秘密の甘い独占契約

次の瞬間。固まっていた足が動いて、くるりときびすを返すことができた。


いけるかも。


一歩前に踏み出して、来た道を走り出す。


「あっ、逃げた!」

「早くつかまえよう!」


うわあ! わかってたけど、姫咲さん達が追い駆けてくる!


限界までスピードを上げて、なんとか姫咲さん達から距離を引き離して、自分の部屋に戻ったその時。


「……さん、……山さん」


どこかから、くぐもった声が聞こえてきた。


誰の声かはわからないけど、どこかでよく聞いた覚えがあるような……。


「雫‼ 早く窓開けて‼」