ヴァンパイアの御影くんと人間の私の間で秘密の契約を交わして、今日で1ヶ月がたった。


「あの、御影くん。あまり痛くしないでね……」

「その言葉、なんか別の意味に聞こえるからやめてくれる?」

「じゃあ、お手柔らかにお願いします」

「部活の試合じゃないんだから……」


やっと午前の授業が終わった昼休み。


私と御影くんは、この日も備品室にいた。


「じゃあ、もうふざけるのなしね。いくよ?」

「う……、うん」


ソファに座る私がうなずくと、それを合図に御影くんが私の背中に腕を回した。


首筋に牙を立てられると、思わず口から「んっ」と短い悲鳴が漏れた。