「あのっ、私ってヴァンパイアになってる?」
「は?」
「いいから、牙とか生えてるか確認して!」
あーんと大きく口を開ける私を、御影くんは一瞬変なものでも見たように顔をしかめた。
でも、一応私の口の中を確認してくれる。
「別に、普通の人間の歯がきれいに並んでるだけだよ」
「本当に? ヴァンパイアに血を吸われた人間は眷属になるんじゃないの?」
「いや。今はそういうのほとんどないから。安心して」
「え……?」
さっきまで切羽詰まってたのに。あっけに取られてぽかーんとする私に、優しい御影くんは詳しく説明してくれた。
「たしかに、桧山さんが言った伝承は有名だけど。実際のところ眷属って、ヴァンパイア側がその気にならないとなれないんだよ」
「そうなの⁉」
し、知らなかった……。
ヴァンパイアに血を吸われた人間は、絶対に眷属になると思ってた。


