ヴァンパイア王子と秘密の甘い独占契約

「血? えっ、ちょっと待っ――」
私が最後まで言い切らないうちに、大きな白い手がこちらに向かって伸びてきた。
直後、全身がふわっと包まれて、ぎゅっと強い力で締めつけられた。
わ……私、御影くんに抱きしめられてる⁉
肩に頭をもたれかかっているのか、ズンとした重みも感じて、頭の中は余計にパニック状態。
どっ、どどどどうしよう……⁉ 私、この状態でどうしたらいいの⁉
「んっ……!」
と、その時。
私の首筋に、何かとがったもので刺されたような、鋭い痛みが走った。
同時に、刺された場所から生あたたかいものが流れて、吸われているような感覚もする。
「あま……」