婚約者の心の声を知りたいと流れ星に願ったら叶ってしまった

「エリオル様。わたくしはそのままのあなたがいいのです。無理に変わる必要はありませんわ。……あなたをお慕いしております。ずっと共に生きていく殿方はエリオル様以外に考えられません」

 想いが伝わったのだろうか。
 エリオルが驚いたように一度目を大きく開き、やがて口元を緩めた。そこには寡黙な貴公子ではなく、愛の告白にうろたえる年頃の青年がいた。
 心なしか耳が赤い気がする。宝石のように澄んだ青い瞳はさまざまな感情で揺れ動き、レティシアをまぶしそうに見つめた。

「ありがとう。君のような女性は初めてだ。……私をありのまま受け入れてくれて、とても嬉しく思う。これからは言葉で伝える努力をする。いや、伝えたいんだ。私の思いを知ってほしい。——レティシア」
「は、はい」
「今まで言えなかったが、心から君を愛しく思っている。レティシアが好きなんだ……っ。大好きだ」

 それは心の声ではなく、間違いなくエリオルの口から発せられた言葉だった。
 普通の令嬢ならば、長ったらしい花や女神に喩えた貴族特有の婉曲な表現にときめくのだろう。だが、レティシアは飾らないエリオルの言葉のほうが好ましく思えた。