婚約者の心の声を知りたいと流れ星に願ったら叶ってしまった

「無言の時間がつらい時期も確かにありました。けれども今は違います。言葉に表さなくても、エリオル様はわたくしを大事にしてくださっているでしょう? わたくしはどれだけ自分が愛されているか、もう知っています。エリオル様の横が安らぎの場所なのです。どうかわたくしから大事な居場所を奪わないでくださいませ」
「…………」

 心の声はもう聞こえなくなってしまったが、心を読まなくても何を考えているかはわかる。
 だって、レティシアの婚約者は他人を思いやれる優しい人だから。
 相手の幸せを願うからこそ、身を引く決意をしたのだろう。エリオルはそういう人だ。

「自分で言うのもなんだが……私は口下手だ。気の利いた言葉も言えず、無言で他者を威圧するようなダメな男だ。そんな私の横で君が安らげるとは思えない」
「そうでしょうか? 受け取り方は十人十色。話し好きの方が誠実とも限りません。少なくとも、わたくしはこっそり小鳥にパンくずを与え、捨て猫の世話をまめまめしくできる人は、愛情深い方だと思っています」
「…………誰かから聞いたのか?」

 恐る恐るといった風に確認され、首を左右に振る。

「いいえ」