「バルバラ嬢に幸せにできないなら婚約破棄するべきだと諭されたんだ。……正直、身に覚えがありすぎた。口数も少ない、無表情の男なんて誰も好きにならない。このままでは君を不幸な花嫁にしてしまう。だから……」
エリオルが言葉を選びながら説明していたが、レティシアの耳には入ってこなかった。
男爵令嬢バルバラ。彼女は複数の貴族令息に取り入っていると、もっぱらの噂だ。移り気の多いバルバラは婚約者がいる男にも甘えた声ですり寄り、あちこちで女子生徒の反感を買っている。
あのとき、人目を忍んでエリオルに囁いたのも善意からの言葉ではないだろう。
(わたくしは……愚かですね……。エリオル様から好意を向けられていると知って嬉しかったのに、何一つ気持ちを伝えてこなかったのですから。誤解されるのも当然です)
バルバラとの密会を目撃しても、頭のどこかでエリオルは自分を裏切らないと信じていた。彼は決して他の女性になびかないだろう、という確信があった。そのぐらい自惚れていた。
だが現実は違った。
エリオルはバルバラの思惑の通り、レティシアと離れる道を選んだ。
エリオルが言葉を選びながら説明していたが、レティシアの耳には入ってこなかった。
男爵令嬢バルバラ。彼女は複数の貴族令息に取り入っていると、もっぱらの噂だ。移り気の多いバルバラは婚約者がいる男にも甘えた声ですり寄り、あちこちで女子生徒の反感を買っている。
あのとき、人目を忍んでエリオルに囁いたのも善意からの言葉ではないだろう。
(わたくしは……愚かですね……。エリオル様から好意を向けられていると知って嬉しかったのに、何一つ気持ちを伝えてこなかったのですから。誤解されるのも当然です)
バルバラとの密会を目撃しても、頭のどこかでエリオルは自分を裏切らないと信じていた。彼は決して他の女性になびかないだろう、という確信があった。そのぐらい自惚れていた。
だが現実は違った。
エリオルはバルバラの思惑の通り、レティシアと離れる道を選んだ。



