婚約者の心の声を知りたいと流れ星に願ったら叶ってしまった

 たたみかけるように言うと、エリオルはやっと口を開いた。

「レティシアさえよければ……その、婚約を解消しようと思っている」
「……っ……!?」

 衝撃のあまり、そのまま凍り付く。
 この部屋に入ってきたときから嫌な予感はしていた。しかしながら、これは想定外だ。いくらなんでも展開が速すぎる。あのエリオルがこうも簡単にレティシアとの縁を切るなんて、にわかには信じられなかった。
 
(……婚約……解消……?)

 二つの単語が頭の中をぐるぐると回る。
 先ほどから心臓の音が激しくなっているのがわかる。喉の奥が干上がる感覚がして、息が苦しい。予想外の提案に、脳が理解を拒んでいる。
 今のレティシアに貴族らしく取り繕う余裕はなく、声が震えてしまう。

「何か……至らぬことがあったでしょうか……?」
「いや、それはこちらのほうだ。何の面白みもない私では、君の夫にふさわしくない。ただそれだけだ」
「……え……?」