婚約者の心の声を知りたいと流れ星に願ったら叶ってしまった

「いつもありがとうございます。とても見事な手際でした。飲むのがもったいないぐらいです」
「……レティシアのために作ったから……」
「もちろん、いただきます。残すなんてもったいない真似はできません。わたくしのために作ってくださって本当にありがとうございます。……まあ、素晴らしい香りですね」

 波形のティーカップをソーサーごと持ち上げ、爽やかなオレンジの香りを堪能してから一口飲む。レティシアが好んでいる南部産のブレンド茶葉だ。蜂蜜のほどよい甘みを足したことで、喉にも優しい味になっている。
 飲むたびに、じんわり心が満たされていく。
 ほっと息をつくと、エリオルが安心したように自分の紅茶を口にした。その様子をしばらく眺め、レティシアはソーサーをテーブルに戻した。
 もとより会話が苦手な彼のことだ。余計な前置きはいらない。早速、本題に入ることにした。

「ところで、本日のご用件をお伺いしても?」
「…………」
「学園内でしか話せない、大切なお話があるのですよね。お聞かせくださいませ」
「……………………」
「さあ、どうぞ。遠慮なさらず」