婚約者の心の声を知りたいと流れ星に願ったら叶ってしまった

 魔法の効果が切れたように、いくら念じても婚約者の心の声は聞こえなくなった。

   ◆◇◆

 それは秘密の逢瀬を目撃してから十日後のことだった。
 内密に話がしたい、と従僕を通してエリオルから面会の申し出があった。放課後、レティシアは学園内の最上級生が使える談話室の一室に向かった。
 エリオルはいつもの無表情で出迎え、扉をノックしたレティシアの手を恭しく取った。
 貸し切りにしているのか、指定された談話室には婚約者以外の姿はない。そのまま紳士的にエスコートされて奥のソファまで案内される。エリオルは真向かいの席に静かに座った。
 猫足の白テーブルには、温められたティーポットと茶器、スコーンとクロッテッドクリーム、ブルーベリージャムなどが用意されている。

「…………」
「………………」

 この沈黙も懐かしい。
 エリオルは口を閉じたまま、お茶の準備を始めた。
 王立学園に通う生徒は身分に関係なく、自分のことは自分でするルールだ。しかし、何事にも例外というものはある。