お気に入りの場所は今日も空席だった。
飴色のテーブルに本をそっと置き、窓の外を見やる。
縦長の窓から差し込む光は大木の葉が遮ってくれているため、室内に入り込む光量はぐっと少ない。青空に届きそうなほど枝葉を伸ばした欅の向こうには、綿菓子のような雲。先日は枝にちょこんと小鳥が数羽並び、時折小首を傾げて羽を休む姿に癒やされた。
何気なくそのまま視線を下に向けると、視界の端にダークブラウンの髪が見えた。
遠目でもわかる。レティシアが婚約者の姿を見間違うわけがない。
とそこに、上背のある男子生徒を追いかけるように、女子生徒が小走りで近づいていく。
(あの桃色の髪は……もしかして男爵家養女のバルバラ様? なぜエリオル様が彼女と……?)
人目を忍んで会っている理由がわからず、二人の様子を見守る。
一定の距離を保ちながら話しているようだが、ここからでは彼らの表情がわからない。
三階にいるレティシアと地上にいるエリオルでは距離が離れすぎているらしく、彼の声を拾うこともできない。
話している内容を知りたい思いと、知りたくない思いがぶつかり合う。
飴色のテーブルに本をそっと置き、窓の外を見やる。
縦長の窓から差し込む光は大木の葉が遮ってくれているため、室内に入り込む光量はぐっと少ない。青空に届きそうなほど枝葉を伸ばした欅の向こうには、綿菓子のような雲。先日は枝にちょこんと小鳥が数羽並び、時折小首を傾げて羽を休む姿に癒やされた。
何気なくそのまま視線を下に向けると、視界の端にダークブラウンの髪が見えた。
遠目でもわかる。レティシアが婚約者の姿を見間違うわけがない。
とそこに、上背のある男子生徒を追いかけるように、女子生徒が小走りで近づいていく。
(あの桃色の髪は……もしかして男爵家養女のバルバラ様? なぜエリオル様が彼女と……?)
人目を忍んで会っている理由がわからず、二人の様子を見守る。
一定の距離を保ちながら話しているようだが、ここからでは彼らの表情がわからない。
三階にいるレティシアと地上にいるエリオルでは距離が離れすぎているらしく、彼の声を拾うこともできない。
話している内容を知りたい思いと、知りたくない思いがぶつかり合う。



