婚約者の心の声を知りたいと流れ星に願ったら叶ってしまった

 税を領民に還元せずに私腹を肥やしている中央貴族とは違い、国境に領地を構えるライセット家では考え方がまったく違う。
 内外にも示しがつく武力を正しく使ってこそ、平和が保たれる。
 戦いが起こったとき、まず犠牲になるのはライセットの領民だ。傷つくのは訓練された正規の兵士だけではない。徴兵された農民や留守を預かる妻子も含まれる。
 資源不足な隣国は、穀物が豊かな領地を狙っている。これまでに何度も国境付近で小競り合いが起きているのがその証拠だ。
 一見のどかな日常の裏では、いつも隣国の脅威にさらされている。
 もし戦場になれば、常に死と隣り合わせの生活になる。それを阻止するため、ライセットでは定期的に大規模な軍事演習を行っている。強さや練度を示すことで、抑止力につなげるためだ。

《いつか、本気の彼女とも手合わせしてみたいものだ……》

 冗談ではなく本心からの言葉だ。彼は性別に関わらず、対等に扱ってくれる。
 ここ最近の賛辞で、一番ときめいた気がした。

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