婚約者の心の声を知りたいと流れ星に願ったら叶ってしまった

 その意見には大賛成である。事情聴取などされようものなら、あっという間に噂好きの貴族の話のネタにされるに決まっている。レティシアたちは、その場をそそくさと後にした。
 帰りの馬車で揺られる中、ふと、その声は聞こえてきた。

《ここまで歩くのも支障なさそうだったし、怪我がなさそうで本当によかった。念のため、彼女のメイドに数日は気をつけてもらうように伝えておくか。……とはいえ、さすがはライセット辺境伯のご令嬢だ。護身術も見事だった。ならず者を捕らえる俊敏さは見習いたい。私も負けてはいられないな。結婚すれば二人で領地を守ることになる。実に頼もしいことだ》

 意外な反応にレティシアは目を丸くさせた。
 普通であれば、女は守られる立場だ。留守中の家を切り盛りし、戦地からは遠ざけられる。それなのに、彼は共に戦うのが当然だと考えている。

(わたくしの行動を非難しない方は、エリオル様ぐらいでしょう。もしこの方から愛想を尽かされてしまったら生きていけないかもしれません……)

 今までの頑張りを認めてもらえた気がして、レティシアは泣きそうになった。