:まゆが動画を送信しました

まゆ:これ、本当に写ってるのかな?

まゆ:あーあー!聞こえますかー?

まゆ:まあ聞こえなかったらテイク2で行くかー

まゆ:このビデオを見てる時はもしかしたら

まゆ:私は君の前から二度と姿を現すことはないでしょう

まゆ:怖いこと言ってごめんね?

まゆ:私はおばけじゃないよ、予約送信ってやつで涼真に動画送ってるの

まゆ:だから、私は居ないけどこの動画は送れるんだ

まゆ:昨日、発作が起きた後に先生に言われたの

まゆ:この発作は先天性心神経が終わる合図だって

まゆ:治るじゃないよ?終わるの

まゆ:だから、最後に涼真に言いたいことがある

まゆ:涼真に言いたいことはね〜

まゆ:………っっはあ〜〜

まゆ:君はいつも頑固で頭でっかちで無愛想で

まゆ:ほんっとーーーに!!自分を好きになれない人だったよね

まゆ:私はそんな君とぶつかってきたけど

まゆ:もっと私を知って欲しかったからだし

まゆ:素直な君を見ていたかったからだよ?

まゆ:何度も何度も話して知らない間にお互い泣いていたこともあったよね?

まゆ:今思えば笑っちゃうけど

まゆ:そんな日々が私にとっての幸せなんだって今なら言えるよ!

まゆ:だんだん素直になっていく君は

まゆ:私を抱きしめて離さなかった時

まゆ:私は本当の君の温かさを感じれてる気がしてすごく嬉しかった

まゆ:でも・・・なんでだろう

まゆ:言葉にするにはとても勇気がいることで

まゆ:一生君と一緒に居られるなら簡単に言えるはずなのに

まゆ:明日がいつ来なくなるかわからないって思ったら

まゆ:私の言葉は君を傷つけてしまう気がして、怖かった

まゆ:辛いのは私じゃなくて

まゆ:君の方なんじゃないかなって思ってる

まゆ:でも、私は君との距離が近づく度にいつも感じるの

まゆ:一緒に居たのにずっと言えなくてごめんなさい

まゆ:こんな形になっちゃったけど最後に言わせて?

まゆ:ずっと

まゆ:ずっと好きだったよ

まゆ:君と話して笑って、喧嘩して、泣いて、仲直りして、また笑って

まゆ:君と過ごした1分1秒が私の生きた証なの

まゆ:大切な思い出だよ?

まゆ:私は居なくなるけど

まゆ:君も同じ気持ちでいてくれたらいいな

まゆ:思い出に残る私の一生の恋でした

まゆ:ごめんこんなに泣いちゃったらテイク2なんて撮れないや

まゆ:あーもうやめた!!

まゆ:ばいばい・・・今までありがとう

まゆ:大好き・・・

まゆ:さよなら



涼真:まゆ………

涼真:俺だって……同じ気持ちだよ

涼真:俺だって……まゆの事が……

涼真:何度も言おうと思ってた。何度もそう感じてた

涼真:それでも何も言えない俺は本当にバカだ

涼真:今更だけど……伝えたい

涼真:まゆに届くかわからないけど俺も送るか

:涼真がメッセージを送信しました

涼真:俺も好きだよ

:まゆが画像を送信しました



涼真:………え?

:まゆが画像を送信しました

涼真:俺との写真?

涼真:これも予約送信か?

:まゆが画像を送信しました

:まゆが画像を送信しました

:まゆが画像を送信しました

涼真:うっ…ううぅ………

涼真:俺、まゆと一緒だとこんなに笑ってたんだな

:まゆが画像を送信しました

:まゆが画像を送信しました

:まゆが画像を送信しました

涼真:頑固で頭でっかちで無愛想な俺と一緒に居てくれてありがとう

:まゆが画像を送信しました

:まゆが画像を送信しました

:まゆが画像を送信しました

涼真:俺はまゆと一緒に居れて楽しかった

涼真:幸せだった

涼真:まゆの事が好きだった・・・

涼真:まゆ・・・沢山思い出をくれてありがとう

:まゆがメッセージを送信しました

まゆ:ありがとう

まゆ:私も大好き

まゆ:涼真の笑顔は

まゆ:私だけの宝物だよ

0:彼女の最後のビデオレター

0:〜END〜