:まゆがメッセージを送信しました

まゆ:りょーま!

涼真:まゆ、発作は良くなったの?

まゆ:今のところは大丈夫かな?ごめんね心配かけて

涼真:いいんだよ

まゆ:今日も病院来てくれるよね?

涼真:まあ、行ってもいいよ

まゆ:素直じゃないねー



涼真:………はあ

0:涼真はまゆの病室のドアを開ける

まゆ:涼真ー!おっはよー!

涼真:相変わらず元気だね

まゆ:1日を大切にだよー!

涼真:………

まゆ:ねえ、涼真、テストどうだったの?

涼真:1位だったよ

まゆ:すっごいねー!

涼真:…………

まゆ:ありがとうって言わなきゃ

涼真:ありがと

まゆ:なーに怒ってんの?

涼真:怒ってない、心配してるんだ

まゆ:どうして?

涼真:なんか、君が遠くにいる気がして

まゆ:……なにそれ

涼真:教えてよ、まゆの体は今どうなってるの?

涼真:そういえばおかしいじゃないか、外出許可も出ないし、家族とか彼氏と居ろって言われるなんて

涼真:まゆは……もう死ぬの?

まゆ:……うん

涼真:………どうして

まゆ:ターミナルって知ってる?

涼真:……ターミナル?

まゆ:うん。亡くなる準備をするってこと

涼真:………まゆのことか?

まゆ:そうだよ

涼真:……嘘だろ

まゆ:ほんとだよ。もうその準備をしてるの

涼真:いくらなんでも急すぎる

まゆ:私の病気はいつも急だよ

まゆ:もうそろそろだけど、私はいつか死ぬの

涼真:……まゆが死ぬなんて…言わないでくれよ



まゆ:な、なんで涼真が泣くの?私が死ぬことはわかってたことでしょ?

涼真:わかってるけど…受け入れられないだろ

まゆ:だとしても泣かないでよ

涼真:俺がまゆに出会って、どんな思いでこの病室に来てるかわかる?

まゆ:……なに?

涼真:君の笑顔が、君の声が、君の明るさが、俺を元気づけてくれたんだよ

涼真:そんなまゆが死ぬなんて……言うなよ

まゆ:……でもね、どう頑張っても私は生きられないよ

涼真:……なら君に会わなきゃよかった

まゆ:……え?

涼真:後悔しか残らないよ。俺はずっと君と居たいのに、一緒に居られないなんて

まゆ:どうしてそんなこと言うの?

涼真:だって!俺は……

涼真:いや、何でもない

まゆ:……謝ってよ

涼真:……何を?

まゆ:私に会わなきゃよかったなんて言わないでよ!

まゆ:私は涼真に会えて……こんなに嬉しいのに、なんでそんなこと言うの?

涼真:………だってそうだろ。俺は何も出来ないんだから

まゆ:別に何かして欲しいわけじゃないよ

涼真:それじゃダメだよ。いっそ、俺だってまゆと同じ病気になって同じ気持ちになってみたかった

まゆ:……私の気持ちわかってないじゃん。勝手なこと言わないでよ!

涼真:……まゆ

まゆ:涼真は今すぐ死んでって言われてもどうせ死ねないでしょ?

涼真:………

まゆ:私の病気は…生きたくても生きられない人が沢山いるの。それなのに何でそんなこと言うの!?ひどいよ!

涼真:………ごめん

まゆ:……私の気持ち…ちゃんと考えて

涼真:でも、俺の気持ちもわかってくれ

まゆ:………え?

涼真:まゆに会えて嬉しいからこそ、そう思ってしまうんだ。悲しいんだよ

まゆ:………涼真

涼真:何か俺に出来ることはないかっていつも思うんだ。でも答えは見つからない

涼真:君に出会えて嬉しいのに、君と話して、距離は段々と近づいていくのに、君は遠くに行ってしまう

涼真:このやるせない気持ちを…まゆにもわかってほしいんだ

まゆ:………そっか。そうだよね

まゆ:もしかしたら、私なんかより涼真の方が辛いのかもね

涼真:……まゆと比べたら、俺は生きられるから幸せだよ

まゆ:その気持ち、忘れないでね?

涼真:え?

まゆ:生きてるだけで幸せだって気持ちだよ

涼真:………うん

涼真:この気持ちも、まゆと一緒に居たからそう思えたのかもしれないね

まゆ:……ありがと

まゆ:仲直りの写真撮ろ!

涼真:わかったよ



まゆ:ねえ、涼真。私が死んだらやっぱ悲しい?

涼真:当たり前だろ

まゆ:そっか。なんか嬉しい

涼真:何回も言わないからな?

まゆ:涼真

涼真:……ん?

まゆ:ハグする?

涼真:……俺はそんな手には乗らないぞ

まゆ:じゃないと、私、遠くに行っちゃうかもしれないよ?

涼真:………

0:涼真はまゆを抱きしめる

まゆ:……あったかいね

涼真:……そうだな

まゆ:この温かさは忘れたくないなー

まゆ:こんな時にこんなこと言っていいかわかんないけどさ

まゆ:私ね……

涼真:………ん?

まゆ:……涼真と…

まゆ:…………っ!!

涼真:ま、まゆ!?

まゆ:………はあ、はあ。……っ!!

涼真:待って!まゆ!今ナースコール押すから

まゆ:…はあ…はあ…ごめん涼真

涼真:こんな時に謝らないでよ

まゆ:……違う、そうじゃなくてさ

涼真:………え?

まゆ:私……本当に死ぬかも

涼真:……まゆ!?

0:いつもと違う発作が起こる

0:そしてまゆの緊急手術が行われた

:6話に続く