環くんは、フォーク化現象に悩まされている


「ドアの前に段ボールがあるでしょ? 今からキミを縛って、あの箱に入れて、台車で学園の外に運ぶんだ。車を待たせてある」


「本気ですか?」


「それが俺の仕事だからね。お金にならない愛と違って、莫大な報酬が手に入る。キミの不幸と引き換えだけど、僕が幸せになれればそれでいい」


まずい、逃げなきゃ、何とかして。


床に落ちているガムテープ。

取ろうとした委員長は、掴んでいた私の手首を離した。


渾身の力を込めた両手で、私は思い切り委員長をつき飛ばす。

バランスを崩したのか、委員長はお尻から床に倒れこんだ。


今がチャンス。


とりあえず、この資料室から出て。

図書室から逃げ出して。

先生でも生徒でも誰でもいいから、助けを求めて……。


あれ? ドアが開かない。

今私、ちゃんとドアのカギを開けたよ。

それなのにドアが動いてくれないなんて。


もう一度鍵を回して……

やっぱり駄目だ。

反対回し? 

それでも開かないよ。