そうつぶやくと、慧くんは私の手を引いて歩き出した。

辿り着いたのは公園だった。

ベンチに座って、私は意をけっして切り出した。


「慧くん、なにか悩みがあるなら、言って欲しいよ」

「……」

「だってずっと苦しそうなんだもん。心配で放っておけないよ」


慧くんはしばらく黙って、重苦しそうに口を開いた。


「知らない方がいい。これは、俺の問題だから」

「そんなの、やだよ」


私は思わず大きな声をあげていた。


「だって私は慧くんの花嫁だもの。花嫁って一生一緒にいる人でしょ。なのに知らないことがあるなんて嫌だよ。私は慧くんとずっと一緒に生きるって決めているのに……」

「新奈……」