「しばらくって、どれくらい……?」
「一週間……くらいかな」
一瞬、頭が真っ白になった。
「で、でもっ、慧くんの誕生日は会えるでしょ? だって」
「無理だ」
きっぱりと言い切ったその口調には、『絶対会わない』という固い気持ちさえ感じさせた。
私は泣きそうになりながら慧くんの手を握った。
「どうして……? そんな大切な日に会えないなんて、私、悲しいよ」
「……ごめん」
いつもの慧くんなら逆に、『この日は絶対にデートするからな』って、明るく笑って言ってきたはず。
なのに今は、苦しそうな表情を浮かべるばかり。
まるで、自分でもどうすることができないことを背負い込んでしまったように――。



