首筋に唇を這われるこそばゆさに耐えながら、私は慧くんの腕をぎゅっとつかんだ。
不意に、慧くんが身を起こして私を見やる。
その目に、ドキリとなった。
いつもと、ちがう。
魅惑的な、妖しい光を放つ瞳。
ヴァンパイアの本性がにじみ出た時の目をしていた。
ぞわり、と瞬間的に恐怖を感じた。
この目が、さっきの男と同じような気がして――。
私をじっと見据える慧くんの唇が微かに開いた。
その合間に見えたものに、釘付けになる。
白い歯が、鋭利に尖って――。
不意に、慧くんが勢いよく身を起こした。
そして、自分の身体をぎゅうと抱き締める。
まるで、自分で自分を拘束するように。



