「正直、今日みたいなことが起こると心配になってくる。眼鏡もヘアスタイルも、あのままの方がよかったんじゃないかって」
「そんなことないよ。私はもう戻りたいとは思わないし」
だって毎日がとても楽しいんだもの。
おしゃれするのも、人と話す機会が増えたことも、美菜ちゃんみたいな友達ができたことも――なにもかもが新鮮で、まるで生まれ変わったみたい。
ぜんぶ、慧くんのおかげなんだよ。
もちろん、最初は戸惑った。
慧くんがヴァンパイアってことも半信半疑のまま強引に付き合うことになって、どうして私なんかが、ってパニックになった。
でも、いろんなことが起きて、苦労しながら二人で乗り越えていくうちに、なにもかもを信じられるようになっていった。
最初は、ただ特殊な存在の私をそばに置いておきたいだけなんじゃないかって思っていた慧くんへも、心を寄せられるようになっていった。
慧くんが、本当に私のことを想ってくれているんだって、感じられるようになった。
そして、私も慧くんのことが大好きになった。



