地味な私ですが、お日様みたいなヴァンパイアの花嫁になりました




駅前を少し歩くと、慧くんが私を見下ろして立ち止まった。


「少し、休んでいくか? あまり顔色がよくない」

「うん……」


私は素直にうなずいた。

慧くんの手が温かくて――もうちょっと一緒にいたい気分だったから。


近くの公園に入って、木陰の下のベンチに座った。

慧くんが、自販機で飲み物を買ってくれた。

温かいミルクティー。

一口飲んで、ほっとした。

けれども、自販機で買ってくれた時も、ベンチに座っている今も、守るようにずっと私の手を握ってくれている慧くんの手が、一番ほっとさせてくれていた。