──もう、大丈夫だ。

 夢の中でキスをしたまま目を開くと、私を抱きしめた森高君はスヤスヤ寝息を立てていて、安心しながら目を瞑ると微笑みながら夢の続きを見る。

 次には、森高君と一緒に、大好きな海辺を自転車で走っていた。

 立ち漕ぎをしながら前を走る私を追いかけながら、森高君は後ろであははっと笑っている。

「あかりー速過ぎるよー」

 もう、自転車も怖くない。

 笑いながら追いかけてくる森高君と一緒に、私も永遠と煌めく青い景色を見ながら大きな笑顔を浮かべた。