「朝都、とりあえず入学式お疲れ」

 雨まで薄黒く見えるような暗い空、式が終わるとスーツ姿の学生たちがざわざわ辺りに散り始め、俺は二人の同級生に声をかけられた。

「朝都、お前寝てなかった?」

「は、寝てないわ。ただ、何言ってたのかは分からない」

 小学校から中学・高校、そして大学まで一緒になった幼馴染のタスク。

 進学校で校則が厳しかった高校を卒業後、すぐに髪を染めたタスクは、明るいベージュ系のマッシュヘア。ずーっと坊主の野球男児だったのに、肌の色も落ち着いて随分と印象が違うものだ。

 ……というか、すっかりイケメンに変身してしまった。

 元が良かったってことなのか?