おばさんの家から中学校までの距離は

元々住んでいた家よりも少し遠い。


でも、同じ市内なので少し早めに出発すれば余裕で間に合う距離だった。



それよりも学校へ向かい登校していることが不思議だ。


久々に制服を着た。

久々に道を歩く。





学校に行っても、「待ってたよー」なんて言って駆け寄ってきてくれる友達はいない。





私の心は、石をひきずっているように重かった。





「あさ美ー!!」






後ろから陸が走ってきた。




『…おはよう…』



「おはよう!良かった。学校行く気になったんだな。」




陸は嬉しそうに笑うけど、私は向かいたくない場所へ向かっている不安な気持ちを隠しきれず、

上手く笑い返せない。





「あさ美、顔上げて。」