温かかった。
もうどこへも行きたくない。
一人なんて
孤独なんて
寂しいだけだから。



陸に寄りかかりながら見た星空は

ずっと昔の記憶を思い出させた。





まだ、暗闇など知らなかった幼い私。
父と母は仲が良くて私をとても可愛がってくれた。





あの時の幸せが溢れた時間こそが
私と陸が絶対に叶えたいと願う理想なのだと思う。







私、絶対に幸せな未来を描こう。

何かに恐れるのはもうやめよう。








「そろそろ帰るか。おばさんも心配するし。」





私が気が済むまで泣いたのを確認したのか、

陸は私の手をそっと握りポケットに入れた。





ゆっくり歩く陸に導かれるように私も歩いた。



もう何もこわくないよ。