溢れる涙と共に、裕平くんへの気持ちが流れていっちゃえば………と何度も思う。 初めて知ったこの嬉しさやドキドキ、苦しみ、悲しみは 臆病な私の心には大きすぎて、ただ泣くことでしか対応できなかった。 「あさ美…………そんなに好きなら会いに行けよ。」 涙を流す私に陸は小さな声そう言った。 遠い目で川の流れを眺める陸 私は陸の言葉に頷き、返す声は出せなかった。 陸の胸は温かく男らしいなと思った。 父の微かな面影と照らし合わせて泣いている自分がいた。