推しへの恋愛禁止令を出したのは推しの相方でした

ハルカはカナトがはけたのを確認すると私たちの方を向く。
「カナトのソロ曲どうだった?」
ハルカの問いかけに多くのファンが答える。
聞こえてくる言葉は褒めるものばかりだった。
「ははっ。分かる。カナトの曲最高だったよな」
心から嬉しそうな顔をして褒めるハルカ。その姿に安心感を覚えた。
そしてハルカは大きく深呼吸をする。
「次に聴いてもらうのは俺のソロ曲です」
いつものハルカとは違う、真面目な雰囲気に私たちにも緊張が走る。
「大切に歌うから、聴いてください」
静まった会場にハルカのソロ曲のイントロが流れ始める。
ハルカは瞳を閉じてその音色を聴く。
そしてマイクを口元に持っていき、瞳を開け、ハルカは歌い始めた。
ハルカのソロ曲を聴いていると、思い出が頭を巡った。
楽しい思い出、悲しい思い出、沢山の思い出が宝物のように感じられた。
ハルカはどこまでも優しく歌い上げる。
そして曲の最後に差し掛かる。
「俺の人生が 君の...生きた...証だ...」
最後の歌詞を歌った時、ハルカの声は震えていた。
ステージ上のハルカの瞳から輝くものが流れ落ちる。
ハルカは泣いていた。
私の頬にも涙が伝う。
ハルカが私の作った曲を素敵に歌ってくれたよ。
ハルカが涙を流すくらい、感情を込めて歌ってくれたよ。
ハルカの声は空まで届いたかな?
ねぇ、桜ちゃん...。