1週間後、私はハルカナの事務所に訪れた。
迎えてくれたハルカは簡単な挨拶だけして、事務所のソファに座るよう促した。
「出来たんだな、曲」
「はい。聴いてください」
私は歌詞を書いた紙をハルカに渡し、音源を流す。
【笑い合えた日も 涙溢れた日も
君と過ごした日々は宝物
君が居てくれたから
人生は華やかに色づいたんだ
この声よ 空に響け
たとえ遠く離れていても
君に聴いて欲しいから歌う
君が居てくれたから
俺は今ここに居る
変われないまま 変わらないまま
また桜が咲く季節になったよ
君の言葉で彩られた人生
俺の人生が君の生きた証だ】
ハルカは黙って曲を聴く。
歌詞の紙が視界を遮り、ハルカの表情を見るコトができなかった。私はどう感じてくれるか緊張しながら自分の音に耳を傾ける。
そして曲が終わり、ハルカは顔を上げる。
ハルカは優しいような、切ないような顔をしていた。
「...どう...でした?」
「...やっぱりReiさんなんだな...」
小さく呟かれた言葉。改めて歌詞を見るハルカの瞳を綺麗だと思った。しかしその表情から何を思ってるかは読み取るコトが出来なかった。
そしてハルカはゆっくり話し始める。
「俺は空の上にいる桜に見て欲しいって思いながらアイドルを続けてる。俺にとっての1番のファンは桜だから。そんな桜に届けたいって思える曲を玲那は作ってきてくれた」
ハルカは真っ直ぐ私を見る。
「素敵な曲を作ってくれてありがとう。大切に歌うよ」
私は泣きそうになるのを必至に堪えた。ハルカの優しい声に泣きそうになったのか、桜ちゃんのコトを思い出して泣きそうになったのか、その理由は分からなかった。
それでも今ハルカに見せたい表情は笑顔だった。
だから私は涙を堪え、笑顔で話す。
「そう思ってくれて嬉しい。ありがとう。この曲を歌うハルカを見られるの楽しみにしてる」
「あぁ、この曲を歌う時だけは俺をちゃんと見てろよな」
「うん」
この曲をハルカはどんな風に歌ってくれるんだろう。
どんな表情で歌ってくれるんだろう。
そんなコトを考えるだけで、胸はドキドキしていた。
曲を届け終えた私は帰る為に事務所を出て行こうとする。
「玲那」
ハルカの声に私は振り向く。
「桜が玲那と出逢えて良かった」
思いがけない縁があった私たち。
その縁は悲しくも、温かくて優しいものだった。
「私も桜ちゃんと出逢えて良かった」
私の言葉にハルカは微笑む。
私も同じように微笑んだ。
迎えてくれたハルカは簡単な挨拶だけして、事務所のソファに座るよう促した。
「出来たんだな、曲」
「はい。聴いてください」
私は歌詞を書いた紙をハルカに渡し、音源を流す。
【笑い合えた日も 涙溢れた日も
君と過ごした日々は宝物
君が居てくれたから
人生は華やかに色づいたんだ
この声よ 空に響け
たとえ遠く離れていても
君に聴いて欲しいから歌う
君が居てくれたから
俺は今ここに居る
変われないまま 変わらないまま
また桜が咲く季節になったよ
君の言葉で彩られた人生
俺の人生が君の生きた証だ】
ハルカは黙って曲を聴く。
歌詞の紙が視界を遮り、ハルカの表情を見るコトができなかった。私はどう感じてくれるか緊張しながら自分の音に耳を傾ける。
そして曲が終わり、ハルカは顔を上げる。
ハルカは優しいような、切ないような顔をしていた。
「...どう...でした?」
「...やっぱりReiさんなんだな...」
小さく呟かれた言葉。改めて歌詞を見るハルカの瞳を綺麗だと思った。しかしその表情から何を思ってるかは読み取るコトが出来なかった。
そしてハルカはゆっくり話し始める。
「俺は空の上にいる桜に見て欲しいって思いながらアイドルを続けてる。俺にとっての1番のファンは桜だから。そんな桜に届けたいって思える曲を玲那は作ってきてくれた」
ハルカは真っ直ぐ私を見る。
「素敵な曲を作ってくれてありがとう。大切に歌うよ」
私は泣きそうになるのを必至に堪えた。ハルカの優しい声に泣きそうになったのか、桜ちゃんのコトを思い出して泣きそうになったのか、その理由は分からなかった。
それでも今ハルカに見せたい表情は笑顔だった。
だから私は涙を堪え、笑顔で話す。
「そう思ってくれて嬉しい。ありがとう。この曲を歌うハルカを見られるの楽しみにしてる」
「あぁ、この曲を歌う時だけは俺をちゃんと見てろよな」
「うん」
この曲をハルカはどんな風に歌ってくれるんだろう。
どんな表情で歌ってくれるんだろう。
そんなコトを考えるだけで、胸はドキドキしていた。
曲を届け終えた私は帰る為に事務所を出て行こうとする。
「玲那」
ハルカの声に私は振り向く。
「桜が玲那と出逢えて良かった」
思いがけない縁があった私たち。
その縁は悲しくも、温かくて優しいものだった。
「私も桜ちゃんと出逢えて良かった」
私の言葉にハルカは微笑む。
私も同じように微笑んだ。



