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「ほんっと使えないんだから!」


放課後になり、私は詩子とふたりで近くのファミレスに来て毒づいていた。
今日はふたりともドリンクバーだけだ。
電子マネーはどんどん少なくなっていくから、セーブして使っている。


「他に、ふたりと同じ中学の人っていないのかな」


苛立つ私を見て詩子が呟く。
私は強炭酸のコーラを一気に飲んで大きく息をついた。


「わかんない。でもあまり嗅ぎ回るのもよくないよね」


あのふたりには人望もあるから、私達の動向がバレてしまうかもしれない。
だから大人しい山田くんに話を聞こうとしたのだ。

山田くんなら、誰かに話そうとしても話し相手がいないと思ったからだ。
それが失敗の元だった。
もっと二人と親しい人を選べばよかった。

私は悔しさから奥歯を噛み締めた。