詩子がパンケーキを頬張って言う。


「そうだね。一気にポイントを稼いでおけば、それから先遊べるもんね」


今まではほとんどお金がなかったから欲しいものが山積みになっていた。
でも今回のポイントで欲しい物は随分と手に入れることができたから、これから先受け取るポイントは慎重に使うことができそうだ。

詩子がカバンの中からクラス写真を取り出した。


「その写真、持ち歩いてるの?」

「一応ね。そのゲームをするときに写真があった方が選びやすいと思って」


確かに、写真を見ながら決めたほうがクラスメートたちの関係性がよくわかる。
私は身を乗り出すようにしてクラス写真を確認した。

写真の中の玲香と洋子は隣同士で寄り添うように写っていて、楽しそうに笑っている。
それが今はふたりの関係は完全に崩壊してしまっている。

こんな風に笑って写真に写っていたって、本当の関係なんて実はわからないままなのかもしれない。


「洋子たちよりも高額ってことは、関係が深そうな二人組みを選べばいいのかな?」


「たぶん、そうなんじゃないかな? 洋子と玲香は高校に入学してから仲良くなったみたいだから、それよりも長く一緒にいる子たちを選べばいいと思う」