浩二は以前よりも筋肉が付き始めている腕でそれを奪い取り、中を確認していく。


「俺カバンを探したってなにも出てこないぞ」

「それはどうだろうな」


浩二の手は躊躇することなくカバンの内ポケット探り始める。
その奥の方には……私が隠した下着がある。

浩二の手が一度止まり、そして視線が豊へ向かった。
その目は吊り上がっている。


「これはなんだ?」


そう言いながら下着が取り出されて、豊が唖然とした表情に変わる。


「私の下着! お願い見ないで!」


私はタイミングをはかってそう叫び、浩二の手から下着を奪い取るとその場にうずくまって見せた。


「し、知らない。俺じゃない!」


豊は懸命に左右に首を振って自分の無実を証明している。
けれど物的証拠が出てきた今、その言葉に一切の信用はなかった。