絶交ゲーム

「今まではサッカーが一番だったから、贈り物は受け取らないようにしてたんだ」


へぇ、結構徹底していたみたいだ。


「それでも、下駄箱にラブレターが入ったりはしてたんじゃないの?」


聞くと、浩二は私が持ってきたクッキーをひとつ口に入れながら頷いた。


「そういうのは仕方ないからとりあえず受けとるよ。でも中身は読まない」

「捨てるの?」

「捨てないよ。家の机の引き出しにしまっておくんだ。読んだら気になるし、捨てるのは可愛そうだから」


浩二宛の手紙はどれだけの数読まれないまま保管されているんだろう。
二桁は余裕で行くんだろうな。


「でも、私のクッキーは食べてるね?」


そう聞くと浩二はまた照れたように微笑んだ。
その笑顔は子供っぽくてなんだか可愛い。


「今はサッカーを休んでるから」

「車椅子サッカーを始めたら、また恋愛禁止になるの?」