まるで恐ろしいものを見るような目で私を見た後、無言のまま教室から逃げ出した。
その様子を見て私は悟った。

浩二は豊の声を聞いて立ち止まったのだと、知っているんだ。
だから、なにも答えられずに逃げ出したんだ。


「ふふ……」


思わず笑みが漏れてくる。
これでふたりの関係は完全に壊れた。

これで100万ポイントは私のものだ!!
こらえきれずに女子トイレの個室にかけこんだ。
水を流し、大声を上げて笑う。

勝った!
今度のゲームでも勝った!

いい大学にいい会社なんて、このゲームさえあれば関係ない!


「あはっ……!! あはははははははは!!」


私は心の底から笑い声を上げたのだった。