髪の毛には寝癖がついたままだし、化粧気のない顔は玲香には見えなかったからだ。
最近友人もとりまきもいなくなってしまった玲香は急激に変化していた。

まず化粧をやめた。
髪型もクシを通すだけになり、見た目にこだわらなくなってきた。

今日は更にひどくて髪の毛にクシを通してさえいないみたいだ。
そんな玲香はもう美人でもなんでもなくて、ただの冴えない女子高生でしかなかった。


「ちょっと、なにすんの」


私は玲香を睨みつけて怒鳴る。
少し体のバランスを崩してぶつかってしまっただけだということはわかっていたけれど、ゲームがうまくいかなくて苛立っていた。

今朝だって、また父親から小言を言われたばかりだった。


「ご、ごめん」


見た目に気を使わなくなった玲香は性格まで暗くなってしまったようで、おどおどと視線を泳がせて謝罪してくる。
その様子が更に苛立ちを加速させた。