「お前、それ好きだよな。梅味」

「炭酸ジュースを飲む背徳感が梅味で解消されるだろ」

「何を言ってるんだか」

「……なあ、ガンちゃん。椿、お前以外と上手くやれてるのか?」

つい先ほどまでの笑顔は、そこにない。

「やっぱり、気づいたか」

「いつものお前なら、一緒にローズティー淹れさせたりしないだろ」

「そうだな。椿は副会長と会計に、遠慮しているというか、1歩引いているんだ」

「1歩どころか、3歩くらい下がってる感じ。去年の10月からだろ、半年経ってるのに」

「だから、お前に観てもらったんだ。何か策はないか?」

「策と言われても、直ぐには何も思いつかない」

「だよな」

俺はハァーッと長い溜め息をつき、がっくり項垂れた。

「ガンちゃんが何とかしたいと思っているなら、策は見つかるさ」

「だといいけどな」

数日後。