柊くんは歓声に沸くわたしたちを見つめながら、溜め息をついた。

スゴく悔しそうだ。

「椿が色々見つけて撮影しなかったら、この真相に辿り着けなかったんだよな」

「やるわね、椿」

「柊さんは初めからフェイクだと疑っていましたし、真相解明したのは柊さんです」

「椿、褒め言葉は素直に受け取れ」

柊くんがわたしの肩にポンと触れた。

わたしに潜入した後の指示を予め(あらかじ)め伝え、更に潜入時も細かく指示を出していたのは、柊くんだ。

わたしは柊くんの言う通りにしただけだ。

柊くんは「バラすなよ」と、わたしの耳にそっと囁いた。

「で、柊。暴くのか?」

「いや。園芸部には部員集めの苦肉の策だろう。暴いたところで、生徒会には何の利もない。監視がバレるし、潜入がバレるのは厄介だ」

「そうか~。じゃあ、そのままに」