放課後が待ち遠しくてならなかった。

昨日、園芸部の温室で見つけてきたものたちは、薔薇事件の確たる証拠物だ。

柊くんがそれを元に事件をどう解明するか、考えると胸の高鳴りが半端なかった。

7時間目終了のチャイムが鳴り、教師が教室を出たのを確認し、急いで教室を出た。

わたしが真っ先に向かったのは、柊くんの教室。

走らないように足早に歩いて。教室の廊下側にいる男子に「柊さん、居ますか」と訊ねた。

「柊なら、昼から保健室に行ったきりだ。……鞄もないみたいだから、こっちには戻らないと思うぜ」

「ありがとう」

ガッカリして、一応保健室に行ってみようと階段を降りた。

1階の廊下をトボトボ歩いていると、保健室から出てくる柊くんの姿が見えた。

「柊さん!」

つい、嬉しくて呼びながら駆け寄った。

「椿。生徒会室、行くだろ?」

柊くんは思っていたより、元気だった。