「いいだろう、ガンちゃん」
「どうなるか、察しはついているんだろ?」
「たぶん。でも、逆かもしれない。対象は雑草同然にしぶとい紫陽花だ」
ピピピッと、ポットが沸騰を知らせた。
「椿」
柊くんはわたしの手首を取った。
わたしはポットの柄を掴み、柊くんに手を引かれるまま生徒会室を出た。
柊くんと階段をかけ下り走る。
強引、無鉄砲、無邪気-ー女子生徒の告白を片っ端から断っているという噂からは想像できない行動に戸惑った。
今から紫陽花に熱湯をかける罪悪感とは別に、ワクワクする気持ちを抑えられなかった。
手首を掴んだ柊くんの手は、今日もひんやりとしていた。
テラスハウス裏。
紫陽花は1輪ではなかった。
「こんなにあったか? 1年見ないうちに増えたな」
柊くんは息を切らし座りこんで「椿、大丈夫か」と訊ねた。
「どうなるか、察しはついているんだろ?」
「たぶん。でも、逆かもしれない。対象は雑草同然にしぶとい紫陽花だ」
ピピピッと、ポットが沸騰を知らせた。
「椿」
柊くんはわたしの手首を取った。
わたしはポットの柄を掴み、柊くんに手を引かれるまま生徒会室を出た。
柊くんと階段をかけ下り走る。
強引、無鉄砲、無邪気-ー女子生徒の告白を片っ端から断っているという噂からは想像できない行動に戸惑った。
今から紫陽花に熱湯をかける罪悪感とは別に、ワクワクする気持ちを抑えられなかった。
手首を掴んだ柊くんの手は、今日もひんやりとしていた。
テラスハウス裏。
紫陽花は1輪ではなかった。
「こんなにあったか? 1年見ないうちに増えたな」
柊くんは息を切らし座りこんで「椿、大丈夫か」と訊ねた。



