ポンポンと肩をた叩かれ振り向くと、椿がガッカリすることを、当たり前のように言った。

「そうなんだよな。そこなんだ」

ドライフラワーをそれぞれ見つめ、あ-ーあと溜め息をつく。

「温室の薔薇が実際、どういう状態で枯れているのか。中に入って確かめてみないとトリックは解けないよな」

ガンちゃんがさらに追い討ちをかける。

「噂と画像だけだろ? 俺たちが知っているのは」

副会長が互いの顔を見て、確認する。

「色鮮やかに枯れた薔薇の花びらが触るとバラバラに崩れる、あれは園芸部の話? それとも噂?」

会計係は俺たちはそれが知りたいんだという目的を今さらのように問いかける。

何だよ、そもそも其処(そこ)から確かめ合わなきゃならないのか。

パソコンで監視カメラを観察しながら、さっきよりも深い溜め息が漏れた。