「ごめんね、亜実ちゃん」


あのあと私はしばらくの間、貧血にならない程度に都輝くんから吸血された。


「ううん。都輝くんが元気になって良かった。
血の力って、凄いんだね」


都輝くんの顔色がどんどん良くなっていくのをそばで見てて、びっくり。


「そうだよ。亜実ちゃんの力はほんとに凄い。
だけど俺は、亜実ちゃんが持つ特別な血のためにキミに近づいたわけじゃない。どうか、それだけは分かって欲しい」


都輝くんが真剣な表情で、私を見つめる。


「それで、あの。さっき都輝くんが言ってた、昔私たちが会ったことがあるっていう話は……?」

「ああ、うん。亜実ちゃんは、忘れてるかもしれないけど……聞いてくれる?」