「えっと、あの。あまり痛くしないでね?」

「分かった。優しくするね」


程なくして首筋がチクッと痛み、牙によって皮膚が破られたのが分かった。


ジュル、ジュル。


私の中にあるものを、吸われている感覚がする。


「はぁ、最高の血だ。すごく美味しい」


首筋から顔を上げ、ウットリとした表情を浮かべる都輝くん。


先ほどよりも彼の顔色が良いことが分かり、安堵する。


「ねぇ、亜実ちゃん。もう少しだけもらっても良いかな?」

「え?」

「大好きなキミの血を、俺にちょうだい」